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弁護士の眼

配偶者の素行が怪しいときの対処法

| 2012.07.19 木曜日 | 弁護士の眼(竹田真理) |

弁護士をやっておりますと、夫婦の離婚相談や恋人間でのトラブルに関する相談を受けることがあります。その中でも普遍的にある相談は浮気に関してです。

最近ではSNSをきっかけとした浮気が増えてきているように感じます。古い友人とSNSで久しぶりにつながって浮気に発展することもあれば、全然知らない 人とSNSで盛り上がった後にオフ会で実際会ってみてさらに盛り上がって浮気に発展して・・・、など、きっかけは様々なようですが。
 さて、パートナーの浮気が発覚した場合、パートナーとの関係をどうするかということはもちろん重要ですが、婚姻しているご夫婦の場合、パートナーと浮気 をしていた相手に慰謝料や謝罪を求めることが多々あります。ただ、SNSをきっかけとして発展した浮気は、浮気相手の素性が分かりにくいという傾向があり ます。
 SNSの場合、パートナーと同じ職場の人、取引先の人、行きつけのお店の人、などという通常の行動パターンから全く外れた圏内にいる人を浮気相手とする ことが可能です。また、浮気している当事者同士、自分の素性をどこまで明らかにしているかはっきりしないこともあります。極端な話、パートナーは浮気相手 から偽名を告げられたり年齢を詐称されている可能性もあるのです。
 いずれにせよ決定的な浮気の現場を押さえることになれば、調査会社に素行調査を依頼することになるでしょう。調査員がパートナーの浮気の現場を確認した後に、浮気相手を尾行して素性を探ることになります。
ただ、最近では昔と違ってマンションに住んでおられる方も多いので、マンションに入るところまでは確認できても、その後どの部屋に入ったかまでを見届けることは難しいこともあるようです(エレベーターにくっついて乗ってしまうと面が割れてしまいますので)。
このような場合、一人の調査員がエレベーターの停止階を見ておき、裏へ回った他の調査員が、どこの窓に明かりがつくかを見る、という方法を取ることが多いようですが、窓など見えないマンションもたくさんありますので、成功率が高いとは言えないようです。
そういう場合には、再び相手方が出てくるのを待ち、勤務先を確認して、そこから相手方の名前などを割り出す手はずをとることが多いようです。
 そうなってくると、調査の費用が高額になってしまいかねませんね。慰謝料額より調査費用の方が高額になるかもしれません。
 少しでも調査費用を低く抑えるためには、浮気に関する情報をできるだけ詳しく収集しておくことです。調査員が全く浮気相手の情報がないまま尾行するよりも少しでも前知識があった方が尾行しやすいからです。 
パートナーが浮気をしているのではないかと疑うような事情があれば、まずは騒がず、素知らぬ顔をして情報を取ることをお勧めします。
たとえば、デート予定日、浮気相手の名前、電話番号、住所、就業先、を収集することをお勧めします。浮気相手の電話番号はわからなくても、メールアドレス に生年月日などを入れていることもありますし、メール内容から浮気相手の職種や就業先がなんとなくわかってくることもあります。携帯電話番号が分かれば、 携帯電話会社に登録している氏名と住所を割り出すことが可能です。
 浮気を疑っても、浮気の証拠や浮気相手の素性が判明するまでは、決してパートナーを問い詰めないでください。証拠をつかんでいなければ、白を切られ携帯 電話のロックがかけられたりメールを削除されたりして、証拠集めが難しくなります。それだけでなく、調査会社に依頼をして、尾行を警戒され、うまく証拠を 得られないことになってしまいかねません。
 浮気を疑ってカーッとなってしまうことは厳禁です。くれぐれも情報を逃してしまわないよう気を付けてください。

 竹田真理


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